Bordeaux Port de la Lune
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古代ローマ以来の伝統を誇るワインの生産と海洋貿易がもたらした富を背景に、洗練された独自の都市文化を育んできたフランス南西の港町ボルドーは18世紀に繁栄を極め、パリに100年先立って都市整備が進められ、壮麗な古典主義・新古典主義の建築が立ちならぶ景観美をつくり上げました。
ボルドー市の全面的な協力を得て実現した本展は、先史時代から20世紀までボルドーの悠久の歴史と美術を展観します。 ドラクロワやルドン、ゴヤをはじめ、名高い
《角を持つヴィーナス(ローセルのヴィーナス)》 をはじめとする貴重な考古・歴史資料など約200点を超える多様な作品・史料をご覧いただきます。
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会期: 2015 6/23 [火]〜9/23 [水・祝] 展覧会は終了しました。
休館日: 毎週月曜日 (ただし、7月20日、8月10日、9月21日は開館)、7月21日 開館時間: 午前9時30分 ― 午後5時30分(金曜日は午後8時まで) ※入館は閉館の30分前まで 会場: 国立西洋美術館 東京・上野公園 主催:国立西洋美術館、TBS、読売新聞社、ボルドー市 |
「ボルドー展」の開会式 & プレス内覧会の館内風景の画像です。 画像をクリックすると大きな画像でご覧いただけます。 |
「ボルドー展」開会式 & プレス内覧会
国立西洋美術館 '2015 6/22 |
太古の美の謎 「ローセルのヴィーナス」 初来日!
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【展覧会の構成】 ― 「ボルドー展」の報道資料、他よりの抜粋文章です ―
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本展は、ボルドー美術館、ボルドー装飾芸術・デザイン美術館、アキテーヌ博物館、CAPCボルドー現代美術館、ボルドー市立図書館、ボルドー市立公文書館と、ボルドー市が誇る6つの主要文化施設のコレクションを中心に構成されます。
ドラクロワ晩年の大作 《ライオン狩り》 をはじめとする、街にゆかりのある画家や作品を紹介するとともに、貴重な考古・歴史資料から、在りし日の市民生活を物語る華麗な装飾芸術品、さらにボルドーが文学思想界に輩出した偉大な
「3M」 ―モンテーニュ、モンテスキュー、モーリヤック―の著作や関連作品まで総数約200点の、幅広い展示を行います。
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「ボルドー展」の展覧会構成 (プロローグとエピローグを合わせて、7つのセクションで構成)
プロローグ ―起源 T 古代のボルドー U 中世から近世のボルドー V 18世紀、月の港ボルドー W フランス革命からロマン主義へ X ボルドーの肖像――都市、芸術家、ワイン エピローグ 今日のボルドー |
「ボルドー展」の開会式 & プレス内覧会の館内風景の画像と、「ボルドー展」図録と報道資料からの抜粋文章です。 |
プロローグ ―起源
ボルドーを首都とするアキテーヌ地方は、クロマニョン人の骨が発見された小村レ・ゼジー=ド=タヤック、牛や馬の彩色壁画で知られるラスコー洞窟 (17,000年前頃) をはじめ、ヴェゼール渓谷の周辺に先史時代の多くの遺跡が集中し、数々の重要な考古遺物が発見されている。 この章では、展覧会の導入部として、アキテーヌ地方で発見された旧石器時代から新石器時代までの人類文化の揺籃期の遺物を見ていく。 ・1 《角を持つヴィーナス(ローセルのヴィーナス)》 Monument historique (重要文化財に相当)に登録 25,000年前頃 発見地:ドルドーニュ県マルケ、ローセルの岩陰遺跡 石灰岩 54 x 36 x 15cm アキテーヌ博物館 ボルドーとその地域の悠久の歴史を数万年にわたって旅する本展覧会は、25,000年前頃に遡る 《角を持つヴィーナス (ローセルのヴィーナス)》 で幕を開ける。 この浅浮彫りは、右手に角を持ち、正面を向いた女性を表している。 頭と体の比率は正確なものではないし、腹部や腰部と比べると、手足(特に左腕)は短縮されている。 こうした特徴は、「芸術家」 が妊娠の兆候を強調していること、…多産の信仰に関わるようだが、確証は何もない。 |
U 中世から近世のボルドー
11世紀半ばにはボルドーはフランスの南西部を占める広大なアキテーヌ公爵領となる。 さらに、アキテーヌ公女アリエノールの二度目の結婚を通じて、12世紀半ば以降、3世紀に及ぶイギリス統治時代が訪れ、英仏間の百年戦争(1337-1453年)を引き起こした。 この章では、大聖堂など町の内外の教会建築の断片や、サンティアゴへの巡礼者の持ち物、百年戦争での中世の城塞などで出土した敷石、英王室の紋章をかたどった石材など、町の歴史を映す史料を通じて、中世のボルドーに光をあてる。 ・53 ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ 《フランソワ・ド・スルディス枢機卿の胸像》 1620年頃 大理石 75 x 61 x 25cm サン=ブルーノ小教区(アキテーヌ博物館へ寄託) 1599年から1628年までボルドーの大司教であったフランソワ・ド・スルディス枢機卿(1574-1628年)は、アキテーヌ地方のカトリック改革の推進者であった。 彼がベルニーニにこの胸像を注文したのは、1620年から1622年頃行なった最後のイタリア旅行の際であった。 本作品はボルドー市に所蔵される17世紀の主要作品のひとつである。 |
W フランス革命からロマン主義へ
革命前夜に繁栄を極めたボルドーの 「月の港」 は、19世紀を迎えると、フランス植民地サン=ドマングの独立や、1806年のナポレオンの大陸封鎖令、鉄道網の発達などによって昔日の勢いを失う。 この章では、ナポレオン戦争後にスペインから亡命してボルドーで最期の日々をすごしたゴヤの版画や美術館草創期の重要なコレクションも加え、革命やブルボン王家に関連する品々から、ロマン主義を中心にボルドーゆかりの画家たちの作品までを展観する。 ・116 ピエトロ・ヴァンヌッチ、通称ペルジーノ ジュヴァンニ・バティスタ・カポラーリ、通称ビッティ(工房) エウセビオ・ダ・サン・ジョルジオ 《玉座の聖母子と聖ヒエロニムス、聖アウグスティヌス》 1500-1510年頃 テンペラ・油彩、カンヴァスに移し替えられた板 217 x 185cm ボルドー美術館 北イタリアにおける15世紀以来の伝統的なテーマである 「聖会話」 は、本作品では中央に座す聖母と祝福を与えるキリストと、ふたりの教父のあいだで交わされている。 天使やケルビムたちは、敬虔な様子でこの場面に立ち会っている。 本作品には、ウンブリア地方で発展し、ペルジーノの弟子であったラファエロ(1483-1520年)が得意とした穏やかな古典主義が表れている。 |
“世界一エレガントな街”を旅する
それは約2万5千年前からの悠久の物語 |
「ボルドー展」 (プレス内覧会館内風景)
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「今日のボルドー」 ―― 14世紀に建てられたカルトジオ会修道院に名前の由来をもつシャルトロン街は、近世以降、国際色豊かなネゴシアン(ワイン商)たちの邸宅や酒蔵が立ち並ぶ商取引の中心として、ガロンヌ河岸でボルドーの発展を支えてきた。
19世紀初頭には、低迷し始めた中継貿易の立て直しをはかるため、商工会議所はここに新たに、植民地から北ヨーロッパへと輸出されていく砂糖やコーヒーを保管するためのレネ倉庫を建設する。
そして20世紀、役割を終えたレネ倉庫は、保存活動の末に現代造形芸術センター(CAPC)の拠点となり、1984年には、改修を経てCAPCボルドー現代美術館へと生まれ変わった。
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お問合せ:03-5777-8600 (ハローダイヤル)
展覧会サイト:http://www.tbs.co.jp/bordeaux2015/ 国立西洋美術館サイト:http://www.nmwa.go.jp/ 主催:国立西洋美術館、TBS、読売新聞社、ボルドー市 後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本、BS-TBS、TBSラジオ 協賛:大日本印刷、三井住友銀行 協力:あいおいニッセイ同和損害保険、エールフランス航空、日本通運、西洋美術振興財団 学術協力:ボルドー美術館、ボルドー装飾芸術・デザイン美術館、アキテーヌ博物館、 CAPCボルドー現代美術館、ボルドー市立図書館、ボルドー市立公文書館、ワイン文明博物館 |
参考資料:「ボルドー展―美と陶酔の都へ―」図録、 報道資料 、他。 |
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